転職支援サービスの動き

2000年代以降、この20年間の転職市場、リクルーティングサービスにおいては「インターネット求人広告」と「人材紹介」がn二大潮流であるといって過言ではありません。外部環境が大きく変化しながらもコスト競争で低価格競争が生まれず、高収益の人材紹介サービスが残っているのは、成功報酬型で価格ではなく、サービスクオリティ向上の競争をしてきたからです。また20年前はインターネットが今ほど普及しておらず、求職者の獲得はアナログであったことからコストがかかっていたことにも起因しています。

転職サービスに中小人材紹介会社が淘汰されずに残っているのは、大手人材紹介会社が価格ではなく、サービス向上を優先させてきたこと。新規参入した中小人材紹介会社の多くはリクルートやインテリジェンス(パーソナルキャリア)の出身者であったことなどが大きな理由です。

国(厚生労働省)の直轄するハローワーク(公共職業安定所)は転職支援以外に雇用保険の資格の変更等に関する手続きなど様々なサービスを行っていますが、看護師や薬剤師など細分化した転職支援サービスは行えない。そのため、より高度な専門知識、サービスを求めるのであれば、民間の転職エージェント、人材紹介会社を利用する方が効率的であると言えます。

今後は、低価格を売りにしたソーシャルリクルーティング、indeedのようなアグリゲーション型求人検索が参入しており、サービスよりもコストという転職サービスが増加すると予想される。

2020年4月、同じリクルートグループでありながら、看護師転職支援サービスの「ナースフル」が、indeed(インディード)のナースフルになったことは象徴的です。

1.大手人材紹介会社の動き

大手人材紹介会社の中ではリクルートの動きが一つの指針となります。近年、リクルートは同ジャンルの競合になるにも関わらず、2012年に買収したindeed(インディード)に求人情報を集約させています。アグリゲーション型求人検索エンジンは求人掲載料をもらい、サイトを求職者が検索をした時に上位表示させます。求職者は上位表示されたサイトを閲覧して、その企業の採用HPページから応募する仕組みです。企業は自社の求人情報をindeed内で上位表示させたり、広告を打つことで集客力を高めることになります。

この仕組みの特徴は3つあります。

まずGoogleが「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」ことを使命としているのと同様、「世界中の求人情報を集め、フィットした求人にワンストップでアクセスできる」ようにするものです。

次に求人検索時によく求職者が入力する「職種名+地名」で上位表示させることで、GoogleやYahoo!からの集客を根こそぎ刈り取るSEO技術があります。

最後に、クリック課金を採用しているのはWEB広告と変わりませんが、月額料金やクリック単価は採用企業で自由に決められます。現在のところ、Yahoo!やGoogleに広告を出すより単価が安いことが多いようです。もちろん、今後クリック単価が上がっていくことは必然的ですが、企業にとっては転職意欲のある人を安く、簡単に採用できるメリットがあります。

今後の動きとして、indeedは意図的にとはいえ、自社の子会社を含めた従来型の人材紹介会社をも巻き込んでいます。他の大手人材紹介会社は業種に特化していたとしてもその業態を変化させざるを得なくなるでしょう。

2.新規参入する人材紹介会社の動き

今まで事例では、大手の人材紹介会社で転職コンサルタント、キャリアアドバイザーなどを経験してから、独立して新たな人材紹介会社を企業するケースが多かったです。今後も業種や職種に特化して独立するパターンは多いと予想されますが、今まで以上に細分化させるか、特殊性をPRしなければ継続的に利益を確保することが難しくなるでしょう。

資本が少ない分は、Twitter、Facebook、Instagram、YoutubeなどSNSを活用することで補えるのはプラスに働きます。また現在ではオンラインサロン という新しい会員制サイトも登場しています。大きなオンラインサロン になるとサイト内だけでヒト、モノ、カネがまわり完結するケースもみられるようになってきました。広告費をかけず一つのグループの仲間内で就職、転職が決まるわけです。

今後、新規参入する人材紹介会社はこのような時代の変化に乗っていく必要があります。

3.転職者の生活意識の変化・動向を知る

転職の多い20代の若者を中心に生活意識の変化が顕著になっている。若者は正社員として働くこと、専門知識や技術を身につけことが得だと分かっているものの、終身雇用にはこだわらず、やりたい事をやりたいと意識が強く、お金を稼ぐことにこだわる人は少なくなっています。就職しても3年以内に3人に1人が退職する時代、非正規雇用の割合の高さに現れています。

転職先を探すときはスマホを片手に、求人情報サイトや転職サイトを検索、自分に合う企業を探します。人気なのは、自分のライフスタイルを崩さず、無理せずに働ける企業です。

4.今後のインターネットの転職サイトと良い転職サイトの選定

2020年現在、転職・中途採用では転職サイトだけではなく、ソーシャルリクルーティングという新たな方法が広がっている。ソーシャルリクルーティングの代表的な会社として、『Wantedly』(ウォンテッドリー)が挙げられます。2010年設立の若い企業ですがSNSをフル活用して拡散して求職者を集めており、これまでと違ったやり方で成長しています。その他、『LinkedIn』のようなビジネスSNSもありますが、欧米に比べ日本では流行っておらず、会員は200万人程度です。日本においてはリクルートグループが世界展開している『Indeed』をはじめ多くの求人サイトを保有しています。リクルートキャリアは『リクナビNEXT』は日本国内の転職市場において最大のシェアを持っており、不祥事があったとはいえ今後も転職業界をリードしていくことは間違いありません。このように転職サイトは様々ですが、求職者にとっては良い条件の求人のある転職サイトを如何にして選ぶかが大事です。したがって、良い転職サイトを紹介しているサイトを参考に転職活動を始めることをお勧めします。転職には、最低でも会社概要、プライバシーポリシー、運営者情報の掲載されているサイトを選ぶべきです。したがって、運営者情報がなければ利用を避けた方が良いです。

5.転職支援サービスの動きまとめ

人材業界大手のリクルートグループのindeed(アグリゲーション型求人検索エンジン)のサービス開始より、人材紹介会社の在り方に変化をもたらしています。全体として今までのサービス重視の傾向から、コスト重視へと変化ています。高度な専門知識や技術、特殊な業界などを除いて、人材紹介会社間の競争が始まるでしょう。今後、新しく参入する人材紹介会社は細分化されたセクターでのポジションを明確にしつつ、SNSをうまく活用することが必要になってきます。

この記事を書いた人

佐藤健太

大手医療法人の人事部所属、看護師の採用を担当。その後、人事部長とともに転職エージェントに転職。医療介護人材の採用に携わり、現在に至る。