看護師の転職の概要

看護師の転職は慢性的な看護師不足により、売り手市場が続いています。平均すれば有効求人倍率は2倍台で推移しているのが現状です。しかし、全国的に見れば、かなりの格差があり愛知県、長野県、和歌山県では3.5倍以上であるのに対し、大分県では1.04倍、佐賀県に至っては0.97倍と1倍を切っていたりするのです。(※看護師の求人数データ

ここ数年の状況をみると、求人倍率が下がる傾向にありますが、5年以上前のデータを掲載したままの看護師転職サイト比較サイトや7年前の厚生労働省の資料が上位表示されていたりするので、注意しなければなりません。

1.転職経験者の概要

看護師の離職率の平均は10.7%で、新卒の平均では7.8%、既卒採用者の離職率は平均17.7%でした(日本看護協会「2019 年 病院看護実態調査」)。ちなみに全職種の平均離職率は11%台であることから、看護師の離職率が特に高いというわけではありません。しかし、「既卒採用者」=転職経験者の離職率は高いといえるでしょう。(※『2019年病院看護実態調査』(日本看護協会)

転職経験者の離職する原因として考えられるのは、スキルアップ、キャリアアップ、結婚・出産といった理由よりも人間関係がうまく構築できず職場に馴染めなかったことや転職活動時に職場の情報が不足していたことが考えられます。

病院での勤務をキャリアのスタートとする看護師が多く、全体でも6割が病院、2割がクリニック、診療所で働いていると言われています。国は2025年に向けて病院機能の再編を目指し、これからますます入院施設の機能分化が進み、入院患者はより医療度が高くなっていくことが確実です。

今後は、病院・クリニックへの転職の比率は下がり、介護施設、訪問看護ステーションなどで働く看護師の比率が増えていくでしょう。

2.転職業界の概要 

人材業界をマクロな視点で見ると11兆円規模という一大産業にまで成長しています。6000万人に雇用のマッチング機会を提供する中途採用サービスは、終身雇用・年功序列が一般的だった日本で1970〜80年代、徐々に人材流動が進み、人材紹介会社が成長を始めました。そして、1997年に規制緩和の一環として、対象業務の原則自由化がきっかけとなり、ウインドウズ98なども一般に普及した事情もあり、インターネットを利用した看護師求人サイト(看護師人材紹介会社)が爆発的に伸びました。実際に2000年から2007年の期間、転職の市場規模が3倍に伸びています。その後、2008年のリーマンショックで一時的に市場規模が小さくなりましたが、2011年から2017年は、1230億円から2570億円まで伸びました。看護師においてもその影響は大きく、看護師求人サイトを活用して求人情報を集める看護師は当たり前になっています。

3.転職サイトをチェック

看護師転職サイトは大きく分けると、人材紹介会社の運営するもの、マッチングサイトを運営する会社のもの、個人から法人が運営するものの3つに分かれます。人材紹介会社の運営するものが最も目につきやすく、次に求人情報サイト、そして個人や法人の口コミ、比較サイトです。しかし、現実には人材紹介会社の運営するもので目に付きやすいもの必ずしも良いサイトであるわけではありません。実際には利用者の口コミ、評判が散々たるサイトが目立っていることも多々あります。求人情報サイトや個人や法人の口コミ、比較サイトについても然りです。それは実際に目にすれば分かることで、ウェブサイトのデザインの良さだけでなく、文章を読んで内容が伴っているかどうか、古い情報ばかり載せていないか、運営者情報がしっかりと記載されているかどうか等をチェックした方がよいでしょう。

4.看護師の転職の概要のまとめ

看護師の転職は5年前と比較すると落ち着きつつあります。しかし、看護職から毎年10万人以上の転職者が出るのは、今後も変わらないでしょう。転職時に利用する看護師転職サイトを選ぶ際には、十分に注意をした方がよいです。デザインだけを見るのではなく、コンテンツ内容や運営者情報をみて本当に信頼できるウェブサイトを選ぶことが大切です。

この記事を書いた人

佐藤健太

大手医療法人の人事部所属、看護師の採用を担当。その後、人事部長とともに転職エージェントに転職。医療介護人材の採用に携わり、現在に至る。